O体大寒稽古2018 その3最終章

O体大寒稽古、今回初めて参加され同部屋になったN尾先生に少し触れさせて頂きます。N尾先生はT八段の大学同期でM大教授。過去、親王杯でT八段と対戦された後の宴会に同席させて頂いたことがあります。今回、長い時間ご一緒させて頂き学術的観点から剣道を捉えられている側面を知り、造詣の深さに感銘を受けました。

土曜日の夜はOB主催の懇親会が行われ、N尾先生と群玉軍勢も参加しました。例年に比べて参加者が少なく「これはひょっとして?」という期待が出てきました。と言うのも懇親会でも参加人数が多いと先生方にあまり話を伺えませんが、少人数であれば必ずチャンスは来ます。

案の定、宴の中盤近くになって落ち着いたころ、頃合いを見てS道範士の元に参じました。お話しを伺うと稽古でもご指摘頂いた通り、「もっと開いていかにゃぁ、いかん」ということでした。硬く守ろうとするのは比較的簡単ですが、柔らかく開いていくというのは至難の業。

K﨑先生にも社交辞令でないご指導を懇願すると「構えをふわっと柔らかく」とS道範士と同じような内容でした。もうそろそろ、いきり立って行くぞ!打つぞ!は卒業しなければいけないとの想いと、その剣道を目指して果たしてすぐに試合に勝てるか?の葛藤に悩まされます。いずれにしても覚悟を決めなければいけない時期に来ているような気がします。

翌日の朝稽古で力を抜いた構えを意識して浅見先生に掛かると「迫力ないな!」と率直かつ的確なお言葉。確かにおっしゃる通り。もし、一夜にしてふわっと立って迫力ある構えになったら無敵になってしまうところですが、かすりもせずに終わったことを考えると今の実力はその程度。しかし、今の自分を知ることだけでも貴重な経験でした。

O体大寒稽古、一歩間違えば「厳しいこと」自体が世間から批判される時代にあって、その存在意義を再認識しました。この寒稽古に関わった全ての方に感謝申し上げます。(おわり)

「O体大寒稽古2018 その3最終章」への4件のフィードバック

  1. 闘争心=力むが先行し、浅見先生のおっしゃるイメージがなかなか掴めません。これから試行錯誤しながら体得していく所存です。

  2. リラックスすることを、気を抜くとして間違えたのでしょう。「気剣体一致」とあるように、リラックスした構えであっても、「気」を抜いてはダメよ。闘争心はあふれんばかりにね。とくにうわてに掛かる時は必死でやらなきゃ。「必死」といっても、力むということでは無いからね。

  3. 浅見先生、「おでかけ」はイタリアだったのですね。お疲れ様です。
    文章に自分の甘さが出ました。「自分に勝つ」覚悟を決めて取り組みたいと思います。ご指導、ありがとうございました。

  4. イタリアから。
    あのね、「その剣道を目指して果たしてすぐに試合に勝てるか?」というのが間違いなのよ。
    試合に勝つことを目指しているのかい?

    その剣道とは、自分に勝つことなんじゃないでしょうか。

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